UI/UXデザイナーは画面の使いやすさを設計する仕事
公開: 2026-08-12/更新: 2026-08-21・運営・編集: オルグロー株式会社
この記事の要点
- 見た目の美しさより「迷わず使える」体験を設計する職種で、デザインの理由を言葉と数字で説明する力が評価されます
- 未経験からの直行は狭き門。Webデザイナーやコーダーで実務経験を積んでから移る2段階ルートが現実的な王道です
- 接客で相手のつまずきに先回りしてきた観察力や、業務の流れを改善した経験は、画面設計の土台として活かせます
UI/UXデザイナーとはどんな仕事?
UI/UXデザイナーとは、アプリやWebサービスの画面設計と使いやすさの改善を担う仕事です。見た目の美しさ以上に「迷わず使える」体験を設計することが価値になります。
UI/UXデザイナーの仕事内容は?
| 画面設計・ワイヤー作成 | 機能や情報の配置を設計し、画面遷移や操作の流れを含めた骨組みを図として作り上げる |
|---|---|
| UIデザイン制作 | ボタンや配色・文字の大きさを整え、初めての人でも迷わず使える画面に落とし込む |
| ユーザー調査・分析 | 利用データやインタビューの記録から、使いにくさの原因と改善の糸口を具体的に特定する |
| 改善テストの実施 | 複数のデザイン案を実際の利用結果で比較検証し、感覚ではなく数字で良し悪しを判断する |
| デザインシステム運用 | 部品や配色のルールを整備・更新し、チーム全体でデザインの品質と統一感を保ち続ける |
UI/UXデザイナーの1日の流れは?
| 10:00 | 出社・リモート開始。前日リリースした改善の数字をダッシュボードで確認 |
|---|---|
| 10:30 | 開発チームとの朝会。実装中の画面について仕様の質問に答える |
| 11:00 | Figmaで新機能の画面設計。複数パターンを作って比較できる形にする |
| 12:00 | 設計中の案をエンジニアに見せ、実装の手間と実現できる範囲をその場で確認 |
| 13:00 | 昼休憩。競合サービスの画面を触って気づきをためるのが日課という人も多いです |
| 14:00 | ユーザーインタビューに同席し、操作につまずく箇所をメモに残す |
| 15:30 | インタビューの気づきをチームで共有し、改善の優先順位を議論 |
| 16:30 | 検証中の画面の数字を確認し、次に試す打ち手をディレクターと相談 |
| 17:00 | デザインシステムの部品を更新し、変更点をドキュメントに記録して終業 |
※職場によって差があります。よくある1日のイメージです。
UI/UXデザイナーに向いている人・向いていない人は?
向いている人
- 「なぜ使いにくいのか」を理屈で考えて、相手に伝わる言葉で説明するのが好き。UIの仕事はデザインを作る時間と同じくらい、理由を説明して合意を得る時間があるからです
- 接客で相手のつまずきに先回りしてきた経験がある(利用者への観察力はUI設計の土台になります)。困りごとに気づく感度は、調査データを読み解く場面でも効いてくるからです
- 見た目の派手さより、仕組みや流れを整えて成果につなげることに達成感がある。UIの評価は美しさそのものより「迷わず使えたか」で決まるからです
向いていない可能性がある人
- 感覚的に美しいものを自由に作りたい(UIは制約とルールの中で設計する仕事です)。既存の部品やガイドラインに沿って組み立てる場面が圧倒的に多いからです
- データや検証結果に基づいて自分の案を否定される場面が苦手。検証で案が覆ることは日常であり、そこから学び直す姿勢が仕事の前提になるからです
- 職種をまたいだ議論や調整よりも、ひとりで黙々と手を動かす時間を最優先にしたい。エンジニアや企画職との対話が業務時間の大きな割合を占めるからです
「案を否定されるのが怖い」は多くの人が通る壁で、否定されているのは案であって人格ではないと切り分けられれば克服できます。検証は「どの案が正しいかをチームで確かめる作業」であり、選ばれなかった案も選択肢を絞り込んだ貢献として扱われます。経験を積むほど、自分の仮説が外れること自体を面白がれるようになったという声も多く聞かれます。また「議論や調整が多い」といっても終日打ち合わせが続くわけではなく、設計に集中できるまとまった時間を確保している職場が大半です。会議の量は組織によって差が大きいため、面接で1週間あたりの定例の数を聞いておくと、自分の集中の型に合うかどうかを判断できます。一方、感覚だけで作りたい気持ちが強い場合は、ビジュアルの完成度で勝負できるサイト制作系のほうが持ち味を発揮しやすいはずです。
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UI/UXデザイナーとWebデザイナー(サイト制作)の違いは?
| UI/UXデザイナー | Webデザイナー(サイト制作) | |
|---|---|---|
| 仕事のゴール | サービスの画面を数字を見ながら育てる | サイトを完成させて納品する |
| 評価される力 | 設計の理由を説明する論理と検証力 | ビジュアルの完成度と再現力 |
| 所属先の傾向 | 事業会社のサービス開発チームが中心 | 制作会社・広告系が中心 |
| 未経験の入口 | 経験者向けが中心で直行は狭き門 | アシスタント枠など比較的広い |
未経験からのルートは?前職別の入り方
販売・接客から
お客様がどこで迷い、何につまずくかを観察してきた経験は、ユーザー調査の視点そのものです。最初の壁はFigmaなどの制作スキルですが、観察力という土台がある分、道具の習得に集中すれば形になります。「何人がどこでつまずいたか」を数として言えると、感想ではなく事実として受け取られます。売り場の動線や案内表示を改善した実例があれば、「課題を見つけて体験を設計した経験」として面接で具体的に語れ、実務経験の浅さを補えます。
Webデザイナー・コーダーから
最も王道の経路です。サイト制作の実務で画面を作る力を身につけたうえで、担当案件の改善提案や公開後の数字の変化を実績としてまとめると、UI/UX求人の「実務経験」の要件に橋を架けられます。壁になるのは「作って納品する」発想から「検証して育てる」発想への切り替えですが、小さな改善提案を日々の案件で積み重ねれば自然に身につきます。同じ会社に自社サービスの部署があるなら、社内公募や異動の希望を早めに出しておくのも有効な一手です。
営業・カスタマーサポートから
利用者の不満や要望を最前線で聞いてきた経験は、課題発見の宝庫です。現場の声を知る人の提案は説得力が違うと評価されます。最初の壁は課題を画面の形に翻訳する設計スキルですが、よくある問い合わせを改善案としてFigmaで形にする練習を重ねれば、顧客理解と設計力を同時に示すポートフォリオになります。改善案は数より、選んだ理由を説明できることが大切です。
未経験からUI/UXデザイナーになるには?
- 1
日常のアプリを分解して観察
よく使うアプリの画面遷移を書き出し、「なぜこの配置なのか」を言語化する練習を重ねます。この観察メモ自体が学習の土台になります。似た機能を持つアプリ同士を見比べると、設計の意図がより立体的に見えてきます。家族や友人に同じ操作を頼んでみると、自分がつまずかない箇所でつまずく様子が見え、観察の精度が一段上がります
- 2
Figmaで改善提案を作品化
既存アプリの改善案を「現状の課題→改善案→期待する効果」の順で理由付きにまとめると、思考の過程を示せるポートフォリオになります。見た目の完成度より、課題設定の妥当性が評価の中心になります。数を並べるより、1本を掘り下げて「なぜ他の案ではなくこれを選んだか」まで書いたほうが評価されます
- 3
制作経験を積んでから移る
未経験からUI専任は狭き門のため、サイト制作やバナーで実績を作り、社内異動や転職で移る2段階ルートが王道です。制作職の間も改善提案を続けておくと、移るときの実績として積み上がります。自社サービスを持つ制作会社や、運用まで請け負う会社を選んでおくと、社内で移れる可能性が高まります
求人票はどこを見ればいい?
- 「UI/UXデザイナー」の名称でも実態はサイト制作の場合があります。仕事内容欄に調査・検証・改善の記載があるかを確認し、面接では直近の改善事例を質問すると実態がわかります。答えが具体的な会社ほど検証の文化が根づいています
- 必須要件の「実務経験◯年」は、制作職の経験や改善提案のポートフォリオで補える場合があります。歓迎要件との差を読み分け、必須を軸に満たしていれば応募してみる姿勢が現実的です。ポートフォリオは点数より思考の過程の見える構成が評価されます
- デザイナーの人数や開発チームの体制が書かれている求人は、入社後に相談できる環境かどうかの判断材料になります。ひとり目デザイナーの募集は裁量が大きい反面、経験の浅い人には負荷が高めなので、相談相手の有無を面接で確かめましょう
- 自社サービスか受託かで働き方が大きく変わります。長く改善に関わりたいなら自社サービスの求人を優先するのが定石です。受託は多様な業界を短期間で経験できる点が利点になるため、何を積みたいかで選び分けましょう
収入・働き方の傾向は?
事業会社での需要が高く、デザイン系の中では待遇が上がりやすい傾向があります。その分、未経験からの直行は難しく、Webデザインやコーディングの経験を積んでから移る人が多い職種です。遠回りに見えても、制作の土台がある人ほど移った後の評価が安定しやすいのが実際のところです。設計を言葉で説明する力が身につくと、プロダクトマネージャーやサービス企画など隣接職への道も開け、長期のキャリアの選択肢が広がっていきます。求人を探すときの注意点として、この職種は会社によって「プロダクトデザイナー」「UIデザイナー」「サービスデザイナー」など呼び名が揺れており、名称だけで絞り込むと候補を取りこぼします。職種名ではなく仕事内容欄に調査・検証・改善の記述があるかで見分けるほうが確実です。日々の検証と改善の記録を残しておくと、次の転職で実績を語る材料としてそのまま活きます。
賃金・労働時間などの公的な統計は、厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag ↗で「UI/UXデザイナー」を検索すると確認できます。
この先のキャリアパスは?
プロダクトデザイナーへ。事業会社での需要が高く年収レンジも上。
UI/UXデザイナーの求人イメージ
※実在の企業・求人ではなく、市場でよく見られる募集内容のサンプルです。
UIデザイナー候補/自社アプリ
アプリ開発企業(従業員150名)
給与例月給25万〜32万円
勤務地例東京(在宅週3)
LP専門デザイナー/マーケ企業
マーケティング支援会社(従業員90名)
給与例月給24万〜30万円
勤務地例東京(在宅週3)
よくある質問
UI/UXデザイナーとWebデザイナーの違いは何ですか?
Webデザイナーはサイトを作って納品するまでが中心なのに対し、UI/UXデザイナーはサービスの画面を数字を見ながら継続的に改善します。作り切る仕事と育てる仕事という違いがあり、後者は設計の理由を言葉で説明する力がより求められます。所属先も前者は制作会社、後者は事業会社が中心という傾向があり、働き方や評価のされ方まで含めて選ぶのが失敗しないコツです。
未経験からいきなりUI/UXデザイナーになれますか?
求人の多くは実務経験者向けのため、直行は狭き門です。Webデザイナーやコーダーとして入り、画面改善の実績を作ってから社内異動や転職で移る2段階が現実的です。遠回りに感じるかもしれませんが、制作力のないままUI設計だけを学ぶより、実務の土台を持つほうが結局は早く到達できます。売り場の動線見直しなど、前職での改善経験も面接で語れる材料になります。
UI/UXデザイナーに向いていない人は?
感覚だけで美しいものを作りたい人、検証で案を否定されると立ち直りにくい人、チームでの議論より単独作業を最優先にしたい人には負担の大きい仕事です。逆に言えば、絵を描く力より「理由を説明する力」で勝負できるため、美術系の経歴がなくても戦える職種でもあります。ビジュアル表現を突き詰めたいならサイト制作系やグラフィック系のほうが持ち味を活かせます。
UI/UXデザインに資格は必要ですか?
必須の資格はありません。評価されるのは「課題を見つけて改善した実例」です。人間中心設計などの資格は学習の指針や知識の体系化には役立ちますが、資格単体で選考を通過できるものではありません。まずは既存アプリの改善提案をポートフォリオにまとめるほうが転職には直結します。学習の順番に迷ったら、資格より作品を優先するのが確実です。
何歳まで目指せますか?
求人での年齢制限は法律で原則禁止されており、応募に一律の壁はありません。UI/UXは利用者理解と論理的な説明が核となるため、接客・営業・業務改善など前職の経験がむしろ武器になる職種です。多様な利用者を理解するうえで、社会人経験の厚みが評価される場面もあります。制作スキルを補ってから2段階で移る計画を立てれば、キャリアの途中からでも現実的に狙えます。
AIの普及でUIデザインの仕事は減りますか?
画面のたたき台生成は自動化が進みますが、誰のどんな課題を解くかを定義し、検証して判断する仕事はむしろ重要度が増しています。AIが作った案の良し悪しを利用者視点で評価できる人材の需要は底堅く、生成ツールを検証の速度を上げる道具として使いこなせれば強みになります。調査と検証の経験を積むことが、長期的な備えとして最も確実です。
絵やイラストが描けなくても務まりますか?
務まります。UI制作で使うのは、あらかじめ用意された部品やアイコンを組み合わせる作業が中心で、白紙から絵を描く場面はほとんどありません。求められるのは、情報を整理して優先順位をつける力と、文字の大きさや余白を基準どおりにそろえる正確さです。イラストが必要な場面は専門の担当者や既存素材で補うのが一般的なので、描けないことを理由に諦める必要はありません。
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