経理事務は会社のお金を記録・管理する仕事|向き不向きと未経験からのなり方
公開: 2026-08-12/更新: 2026-08-21・運営・編集: オルグロー株式会社
この記事の要点
- 経理事務は仕訳入力・請求・支払・経費精算など、会社のお金の動きを記録して管理する専門職型の事務です
- 数字がぴったり合う瞬間に達成感を覚える几帳面な人に向き、毎月の締め切り前の集中稼働を避けたい人には不向きです
- 未経験は簿記3級の取得(または学習中の明示)と経理補助求人からの入職が王道。実務経験がそのまま市場価値になります
経理事務とはどんな仕事?
経理事務とは、仕訳入力・請求・支払・経費精算など、会社のお金の動きを記録・管理する事務職です。実務経験と簿記の掛け算で市場価値が積み上がる専門職型の事務です。
経理事務の仕事内容は?
| 仕訳入力 | 日々の取引を勘定科目に分類し、証憑と突き合わせながら会計ソフトへ正確に記録する基本業務 |
|---|---|
| 請求書の発行・支払処理 | 取引先への請求書発行、支払スケジュールの管理、振込データの作成と入金の確認 |
| 経費精算 | 社員の立替経費を社内規程と照らしてチェックし、不備の差し戻しを経て承認・振込へ回す |
| 月次業務の補助 | 月次決算に向けた残高確認と勘定残高の照合、試算表まわりの資料作成のサポート |
| 現金・預金の管理 | 入出金明細と帳簿の照合、小口現金の残高管理と過不足が出た際の原因の確認 |
| 帳票・証憑の整理保管 | 領収書や請求書の整理、電子帳簿保存のルールに沿ったデータ化と保管・管理 |
経理事務の1日の流れは?
| 9:00 | 出社。ネットバンキングで前日の入出金を確認し、入金の消込作業から1日を始めるのが経理の定番です |
|---|---|
| 9:30 | 届いた請求書と領収書を整理し、仕訳を会計ソフトへ入力。迷う科目は前例を調べるか上司に確認します |
| 11:00 | 社員から申請された経費精算をチェック。領収書の添付漏れや規程との不一致があれば差し戻して案内します |
| 12:00 | 昼休憩。月次の締め前の時期は午後の集中作業に備えて、しっかり休んでおくことも仕事のうちです |
| 13:00 | 支払予定の管理。振込データを作成し、金額と口座を上長とダブルチェックしてから承認へ回します |
| 15:00 | 月次資料の準備。帳簿と実際の残高が合わない箇所を調べ、原因を特定して修正するのもこの時間の仕事です |
| 16:30 | 取引先や社内からの問い合わせに対応。請求書の再発行や支払時期の確認など、窓口としてのやり取りも経理の日常業務です |
| 17:30 | 当日分の入力に漏れがないか見直して退社。月初・月末以外は残業少なめで、リズムの読みやすい職種です |
※職場によって差があります。よくある1日のイメージです。
経理事務に向いている人・向いていない人は?
向いている人
- 数字がぴったり合った瞬間に気持ちよさを感じる(レジ締めや在庫棚卸が苦でなかった人は適性がある可能性が高いです)
- 毎月同じリズムで仕事が回ることに安心感がある(経理は月次・年次のサイクルが明確な仕事です)
- 「手に職」を積み上げて、景気や年齢に左右されにくい形で長く働きたいと考えている(経理の求人は全業種にあり、経験が転居や転職の場面でも通用します)
向いていない可能性がある人
- 締め日前の集中稼働が毎月あるのは避けたい(月初・月末の繁忙は経理の構造上、必ず発生します)
- 数字のチェックを「細かすぎる」と感じてしまい、照合作業に苦痛を覚える(照合は経理の中心業務で、避けて通ることができません)
- 成果を対外的にアピールして目立ちたい(経理の貢献は静かで、社内向きの信頼として積み上がります)
細かい確認が苦手でも、チェックリスト化とダブルチェックの型を守れば実務は十分に回せます。月次の繁忙も「毎月同じ時期に来る」と正確に予測できるため、突発的な残業が苦手な人でも予定を立てて備えられます。読めない忙しさに振り回されないのは他の職種にない利点で、繁忙の谷にあたる月の半ばに休暇を計画するなど、リズムを味方につける働き方もできます。まずは経費精算など小さな業務から型を身につければ、確認作業への苦手意識は自然に薄れていきます。
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経理事務と一般事務の違いは?
| 経理事務 | 一般事務 | |
|---|---|---|
| 主な仕事 | 仕訳・請求・支払・経費精算など会社のお金の記録と管理 | 書類作成・データ入力・電話対応など部署を限定しない庶務全般 |
| 専門性の積み上がり | 経験年数と担当範囲がそのまま市場価値になる積み上げ型 | 業務の幅は広いが、専門性としては評価されにくい |
| 向いている人 | 数字の照合が得意で、毎月のリズムに安心感を覚える人 | 幅広い頼まれごとに柔軟に対応するのが好きな人 |
| 未経験の入りやすさ | 簿記3級があると入口が広がる。補助求人からが現実的 | 資格は不要だが人気が高く、倍率は高めになりがち |
未経験からのルートは?前職別の入り方
販売・接客から
レジ締めや売上金管理で「現金と記録を1円単位で一致させてきた」経験が、経理の適性として最も伝わりやすい実績です。入社後は経費精算と仕訳入力から始まり、簿記3級の学習と並行して実務を覚えれば、1年ほどで月次補助まで担当が広がる例が多くあります。最初の壁は勘定科目の使い分けですが、頻出する仕訳は限られており、過去の仕訳例を参考にすれば着実に慣れていけます。
一般事務から
データ入力の正確さとExcelの実務経験が土台として評価され、社内異動・転職の両方で最も多い前職です。入社後は経費精算・入金消込などの定型業務から始まり、簿記を取得して仕訳の理解を示すことで、月次決算の補助など専門業務へ段階的に進んでいけます。最初は簿記の専門用語に戸惑いますが、実務と学習を並行すると教科書の内容が急に頭へ入るようになります。
金融機関の窓口から
お金を1円単位で扱ってきた緊張感と事務処理の正確さがそのまま信頼につながり、経理の採用では強い前職です。入社後は出納・入出金管理まわりから始まることが多く、企業会計の考え方を簿記で補強すれば、月次・年次業務へ早期にステップアップできます。事業会社特有の商流や経費の考え方が最初の壁になりますが、数字を疑って確かめる習慣がそのまま武器になります。
未経験から経理事務になるには?
- 1
簿記3級を取る(または学習中にする)
応募できる求人数が明確に変わる分岐点です。学習時間の目安は50〜100時間で、働きながらでも数か月で到達できます。取得前でも「学習中」と書けば意欲の証明になります
- 2
経理「補助」求人から入る
仕訳・経費精算からスタートし、月次→年次と担当範囲を広げるのが王道です。最初から決算経験を求める求人は避け、育成前提の補助ポジションを選ぶのが現実的です
- 3
会計ソフトに触れておく
freee・マネーフォワードなどの無料枠で画面に慣れておくと、面接で「触ったことがあります」と具体的に話せます。ソフト経験の有無は、実務イメージを持てているかどうかの差として面接官に伝わります
- 4
数字の実務経験を棚卸しする
レジ締め・売上報告・在庫金額の管理など、前職で「お金や数字を扱った場面」を職務経歴書に書き出します。経理未経験でも数字の実務は意外と積んでいるものです
求人票はどこを見ればいい?
- 仕事内容が仕訳・経費精算レベルか、決算補助まで含むかを確認します。未経験なら背伸びしすぎない業務範囲の求人を選ぶほうが、着実に経験を積んで長く続けられます。「経理事務」の名称でも実態が庶務中心の求人があるため内容欄で見極めます
- 経理の人数体制を確認します。1人経理は幅広く学べる反面、教わる相手がいません。未経験のうちは先輩経理がいる複数名体制の職場のほうが成長環境として安心です
- 使用する会計ソフト名を確認します。自分が触れたことのあるソフトなら面接でアピールでき、クラウド会計を使う会社なら業務の自動化・効率化に前向きな社風だと推測できます
- 決算期と残業の記載を確認します。多くの会社は3月決算で4〜5月が繁忙です。月次の締めと決算期の残業実態を面接で質問し、生活と両立できるかを見極めます
収入・働き方の傾向は?
入口の給与は控えめでも、経験年数と担当範囲(月次→年次決算)がそのまま履歴書の強さになる積み上げ型です。全業種に求人があり、景気変動や転居にも対応しやすく、長期の安定性は事務系で随一と言われます。簿記2級と月次決算の経験がそろうと転職市場での選択肢が一段広がり、在宅勤務可の求人も視野に入ってきます。最初の会社選びでは、給与の高さより「月次決算まで経験させてもらえるか」を優先するのが数年後の選択肢を最大化するコツです。会計事務所での経験も事業会社への転職で高く評価されるため、入口は広めに考えて問題ありません。
賃金・労働時間などの公的な統計は、厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag ↗で「経理事務」を検索すると確認できます。
この先のキャリアパスは?
経理担当→決算→財務・管理会計へ。どの会社でも通用する一生モノのスキル。
経理事務の求人イメージ
※実在の企業・求人ではなく、市場でよく見られる募集内容のサンプルです。
経理アシスタント/簿記3級歓迎・教育体制あり
商社(従業員150名)
給与例月給22万〜26万円
勤務地例東京
労務アシスタント/給与計算アウトソーサー
給与計算代行会社(従業員100名)
給与例月給22万〜27万円
勤務地例東京(在宅併用)
よくある質問
経理事務に簿記資格は必須ですか?
必須ではありませんが、未経験者は簿記3級があると応募できる求人が大きく増えます。「実務経験なし・資格なし」の状態が最も書類選考を通過しにくいため、先に3級を取る、少なくとも学習中であることを示すのが効率的です。実務に入った後は2級が次の目標になり、取得すると任される業務の幅が明確に広がります。2級は働きながらでも半年ほどで狙える現実的な目標です。
経理はAIや自動化でなくなりませんか?
仕訳入力などの単純作業は自動化が進んでいますが、その分「数字を確認・判断して締める人」の重要性は残ります。自動化ツールを使いこなす側に回れば、むしろ少人数体制の中で重宝される職種です。入力作業だけの担当で止まらず、月次決算の流れを理解する側へ早めに進むことが、将来への最も確実な備えになります。クラウド会計ソフトの操作経験は、それ自体が選考の武器になります。
数学が苦手でも経理はできますか?
できます。経理で使うのは四則演算と「照合の根気」であり、数学的な思考力はほぼ要求されません。計算自体は会計ソフトと電卓が行ってくれます。数字への苦手意識が「計算」に対するものか「几帳面な確認作業」に対するものかで判断してください。前者なら問題ありませんが、後者が苦手なら不向きの可能性があります。実際、文系出身で活躍する経理担当者は珍しくありません。
経理事務に向いていない人は?
毎月の締め切り前の集中稼働を避けたい人、細かい数字の照合にストレスを感じる人、成果を派手にアピールして評価されたい人には不向きです。経理は「間違えないこと」が価値の中心にある仕事のため、スピードや発想力で勝負したい人は営業事務や企画系のほうが力を発揮できます。正確さに自信があり、静かな達成感を好む人には長く続けやすい仕事です。
経理事務は何歳まで目指せますか?
求人での年齢制限は法律で原則禁止されています。実態として完全未経験の採用は20〜30代が中心ですが、経理は資格で意欲と知識を客観的に示せる数少ない事務職です。簿記2級まで取得して経理補助や会計事務所から入る40代の例もあります。年齢そのものより「資格+実務への近づき方」の設計が採用を左右します。職業訓練校の経理コースを活用して転身する道もあります。
経理と財務の違いは何ですか?
経理は過去のお金の記録(仕訳・決算)、財務は未来のお金の調達・運用(銀行対応・資金繰り・予算管理)を担います。中小企業では兼務が一般的で、経理からキャリアを始めて財務領域へ広げるのが王道の順序です。未経験からの入口はほぼ経理側にあるため、まず経理で記録の実務を固めてから財務を目指すのが現実的です。求人票で「経理財務」と一括表記の会社は面接で担当範囲を確認しましょう。
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