配車・運行管理は輸送の安全を支える運送会社の内勤職
公開: 2026-08-12/更新: 2026-08-21・運営・編集: オルグロー株式会社
この記事の要点
- 配車・運行管理は配車計画・点呼・労務管理を担う運送会社の内勤職で、運転経験を体力に頼らないキャリアへ変えられる仕事です
- 段取りや組み合わせを考えるのが得意な人に向き、早朝・夜間のシフトや荷主とドライバーの板挟み調整が苦手な人には不向きです
- 国家資格「運行管理者」は営業所に必置の法定資格のため、資格と経験の組み合わせが長期の安定につながります
配車・運行管理とはどんな仕事?
配車・運行管理とは、ドライバーの配車計画づくり・点呼・労務管理を行い、輸送の安全と効率を支える運送会社の内勤職です。運転経験が強みになるデスクワークです。
配車・運行管理の仕事内容は?
| 配車計画の作成 | 荷物・車両・ドライバーの組み合わせを法定の運転時間内で最適化する、パズルのような中心業務 |
|---|---|
| 点呼・健康確認 | 乗務前後の点呼でアルコールチェックと体調確認を行う、輸送の安全を根本から守るための法定業務です |
| 労務・勤怠管理 | 運転時間や休憩が法令の範囲に収まるよう管理し、無理な運行を未然に防ぐ守りの要の業務です |
| 荷主・顧客との調整 | 集荷時間の調整や急な変更依頼への対応・交渉。現場と顧客をつなぐ橋渡し役として信頼を築きます |
| トラブル対応 | 渋滞・事故・急な欠勤など突発時の連絡調整と、代替車両・人員の手配を落ち着いて進める対応業務 |
| 車両管理・データ活用 | 車検や定期点検のスケジュール管理と、デジタコのデータを使った運行の見直し・改善の提案 |
配車・運行管理の1日の流れは?
| 5:00 | 早番で出社。出発するドライバーの乗務前点呼とアルコールチェック、健康状態の確認を行います |
|---|---|
| 7:00 | 当日の配車計画を最終調整。荷主からの追加依頼や、ドライバーの急な欠勤に対応します |
| 8:30 | 朝の便がすべて出発したら、点呼記録と運行指示書を整理。デジタコのデータで前日の運行を振り返ります |
| 10:00 | 運行状況のモニタリング。遅延やトラブルがあれば荷主への連絡と代替の手配を行います |
| 13:00 | 休憩のあと、翌日以降の配車計画づくり。荷物・車両・人の組み合わせを法定の運転時間内で組み立てます |
| 14:30 | 荷主からの新規依頼や物量の増減を確認し、必要に応じて協力会社への依頼(傭車)を手配します |
| 15:30 | 車検や定期点検が近い車両を確認し、整備工場との日程を調整。車両の稼働を止めない段取りも大事な仕事です |
| 16:00 | 帰着したドライバーの乗務後点呼。運行記録を確認し、労務データを整理します |
| 18:00 | 遅番の担当者へ引き継いで退勤。点呼業務があるため、シフト制で回すのが一般的です |
※職場によって差があります。よくある1日のイメージです。
配車・運行管理に向いている人・向いていない人は?
向いている人
- 段取りやパズルのような組み合わせを考えるのが得意な人。配車は荷物・車両・人・時間の最適化そのもので、考える仕事が好きな人に向いています。難しい条件の配車がうまくはまったときの手応えは、この仕事ならではの面白さです
- ドライバーの気持ちがわかる調整役になりたい人。現場経験は指示の説得力として最大の武器になり、「現場がわかる管理者」は信頼されます。無理のない配車を組めることが、ドライバーの定着と安全にもつながるためです
- 数字や記録をきちんと管理することが苦にならない人。点呼記録や労務データの正確さが、会社の安全と信用を支えます。行政の監査でも記録の正確さが問われるため、コツコツ型の几帳面さは大きな適性になります
向いていない可能性がある人
- 早朝・夜間の点呼当番などシフト勤務は避けたい(点呼はドライバーの出発・帰着に合わせて発生するため、営業所の運行時間帯がそのまま勤務時間帯に影響します)
- 荷主とドライバーの間に立つ板挟みの調整に強いストレスを感じる(急な依頼を受けるか断るか、双方の事情を踏まえて判断する場面が日常的にあります)
- 突発のトラブル対応で頭を切り替えるより、自分のペースで完結する仕事がしたい(遅延や欠勤の連絡は予告なく入り、優先順位の組み替えが頻繁に発生します)
板挟みの調整が不安でも、判断の軸を「法令と安全」に置けるのがこの仕事の特徴で、感覚頼みの交渉とは違います。断る理由を制度で説明できる分、慣れれば調整はうまくなります。早朝・夜間の点呼もIT点呼や当番制で負担を平準化する会社が増えており、シフト体制を確認して選べば働き方は調整できます。トラブル対応も、対応のパターンを覚えるほど落ち着いてさばけるようになる積み上げ型のスキルです。最初から完璧にこなせる人はいないため、補助者として段階的に経験を積める環境かどうかを重視して会社を選ぶと安心です。
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配車・運行管理と一般事務の違いは?
| 配車・運行管理 | 一般事務 | |
|---|---|---|
| 仕事の中心 | 配車計画と点呼など安全を守る判断業務 | 書類作成・データ入力などの定型サポート |
| 資格 | 国家資格「運行管理者」が営業所に必置 | 必須資格は基本的になし |
| 勤務時間 | 点呼のため早朝・夜間を含むシフト制が多い | 日勤・固定時間が基本 |
| 現場との関わり | ドライバーや荷主と毎日やり取りする | 社内のやり取りが中心 |
未経験からのルートは?前職別の入り方
ドライバーから
最も王道のルートです。運転経験の年数と扱った車格を職務経歴書に明記し、社内登用または「運行管理者候補」の求人に応募します。現場を知る管理者は指示に説得力があり、ドライバーからの信頼を得やすいのが最大の強みです。運転で培った道路や荷扱いの感覚は配車の精度にも直結するため、体力に頼らない長期キャリアへの最も現実的な移り先です。
販売・店舗運営から
シフト作成や売上・在庫の数字管理の経験は、配車計画と労務管理にそのまま置き換えられます。スタッフとお客さまの間に立って調整してきた経験も、板挟みの調整を担うこの仕事では説得力のある証明になります。まず配車補助や物流事務から入り、実務を覚えながら資格取得を目指すのが現実的なルートです。
事務職から
伝票処理や電話対応の正確さを土台に、物流事務として入社し配車補助へ業務を広げるルートが定番です。運行管理者資格は実務経験がなくても基礎講習の受講で受験資格を得られるため、先に資格を取って管理側への意欲を示す方法もあります。表計算ソフトでのデータ整理が得意なら、労務管理の場面でも力を発揮できます。
未経験から配車・運行管理になるには?
- 1
配車補助・物流事務から入る
未経験は配車補助や運行管理の補助者から始めるのが現実的です。ドライバー経験者は社内登用の打診も一般的です。点呼や記録の実務を補助者として覚えながら、次のステップの資格取得につなげていきます
- 2
運行管理者資格の取得支援を使う
国家資格「運行管理者(貨物)」は、会社の支援制度を使って働きながら取得を目指すのが定番です。受験料や基礎講習費用の補助、合格後の資格手当の有無を確認しましょう。資格は転職市場でも一生ものの武器になります
- 3
運転経験を管理の言葉に翻訳する
「現場がわかる管理者」は求人市場で強い存在です。運転経験の年数と扱った車格、無事故歴を職務経歴書に明記し、配車の効率化や労務管理に興味がある姿勢を面接で伝えると、管理者候補としての評価につながります
- 4
物流業界の動きに触れておく
2024年問題や運賃改定など、業界の動きを自分の言葉で語れると面接での印象が変わります。運行管理は法令と業界動向の理解が仕事の土台になるため、ニュースを追って学ぶ姿勢そのものが適性の証明になります
求人票はどこを見ればいい?
- シフト体制と点呼の当番 — 早朝・夜間の点呼を何人で回しているかで負担が大きく変わります。IT点呼(遠隔点呼)の導入状況と、夜間当番の頻度、当番明けの勤務がどうなるかを面接で確認しましょう
- 資格手当と取得支援 — 運行管理者資格の手当額、受験費用・基礎講習費用の会社負担の有無は会社ごとに差が出るポイントです。合格までの学習支援や、合格時の祝い金制度があるかも聞いてみましょう
- 管理する台数とドライバー数 — 一人で受け持つ規模が大きすぎると突発対応に追われがちです。営業所の車両数と管理者・補助者の人数のバランスを確認しましょう。補助者を置いて業務を分担できているかも目安になります
- 募集職種の実態 — 「配車事務」「運行管理候補」など名称が揺れやすい職種です。点呼・配車・事務のどこまでを担うのか、業務範囲と将来の資格取得を前提とした採用かを具体的に確認しましょう
収入・働き方の傾向は?
内勤のため体力的な負担は運転職より小さく、年齢を重ねても続けやすい仕事です。運行管理者は営業所に必ず置く必要のある法定資格のため、資格と経験の組み合わせが長期の安定につながります。2024年問題以降は労働時間の管理がいっそう重視され、点呼や記録を正確に積み重ねられる運行管理の専門性の価値は高まっています。経験を積めば営業所長や複数拠点の統括など、マネジメント側へ進む道も開けます。勤務は点呼に合わせたシフト制が基本ですが、内勤のため天候に左右されず、腰や膝への負荷もほとんどありません。ドライバー職からの転身では収入が一時的に下がる場合もあるため、資格手当や役職手当を含めた中期的な収入の伸びで比較するのが現実的です。
賃金・労働時間などの公的な統計は、厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag ↗で「配車・運行管理」を検索すると確認できます。
この先のキャリアパスは?
運行管理者→所長へ。ドライバーからのキャリアチェンジの本命。
配車・運行管理の求人イメージ
※実在の企業・求人ではなく、市場でよく見られる募集内容のサンプルです。
配車管理スタッフ/元ドライバー歓迎
物流会社(従業員800名)
給与例月給26万〜33万円
勤務地例大阪
よくある質問
運行管理者の資格がないとなれませんか?
補助者としてなら資格なしで始められます。営業所ごとに有資格者の配置が法律で義務付けられているため、会社にとって資格取得者は貴重な存在です。取得支援を受けて働きながら試験合格を目指すのが一般的な流れで、補助者として点呼などの実務を経験しておくと学習内容も頭に入りやすくなります。
ドライバー経験がなくてもなれますか?
なれます。物流事務や配車補助から入り、現場を学びながら運行管理へ進む人もいます。ただしドライバーへの指示や労務管理では現場理解が説得力になるため、運転経験者が歓迎される傾向はあります。未経験から入る場合は、ドライバーに同行するなど現場に足を運び、輸送の実態を肌で学ぶ姿勢が評価を左右します。
配車・運行管理はきついですか?
体力的な負担は小さい一方、早朝・夜間の点呼当番や、急な欠員・遅延への対応など、頭と調整力を使うきつさがあります。荷主とドライバーの板挟みになる場面もありますが、その調整こそがこの仕事の専門性であり評価の中心です。シフト体制が整った会社を選べば、時間面の負担はかなり抑えられます。
配車・運行管理に向いていない人は?
早朝・夜間を含むシフト勤務が生活に合わない人、突発のトラブル対応で頭を切り替えるのが苦手な人、人と人の間に立つ調整に強いストレスを感じる人には負担が大きい仕事です。逆に、段取りや組み合わせを考えるのが好きで、記録をきちんと残せる人なら、運転職以上に長く活躍できる領域です。
何歳まで目指せますか?
募集での年齢制限は法律で原則禁止されており、内勤で体力負荷が小さいこの職種は、ドライバーからの転身先として実際に幅広い年代が就いています。2024年問題以降は労務管理の重要性が増し、経験ある管理者の需要はむしろ高まっています。運転経験と資格の組み合わせがあれば、年齢を強みに変えやすい仕事です。
運行管理者試験は難しいですか?
合格率は回によって変動しますが、出題範囲は貨物自動車運送事業法など明確で、市販のテキストと過去問で対策できる試験です。実務経験がない場合も基礎講習を受講すれば受験資格を得られます。働きながら数か月の学習で合格を目指す人が多く、会社の取得支援を使えば費用面の負担も抑えられます。
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